2006年02月28日

栄光の軌跡。

トリノ・オリンピックが終わり、日本勢のメダルは女子フィギュアスケート・
荒川静香選手の金メダル1個のみ、という結果に終わった。

荒川選手の滑りが教えてくれたこと、それはオリンピックにおいて「防御は最大の
攻撃」ということだ。日本ではややもするとミスを恐れず勝負をかける選手(今回で
いうと上村愛子とか安藤美姫とか)が注目され、ミスを避けようとする選手は
「消極的」というレッテルを貼られてしまう傾向がある。

しかし荒川の後に滑ったスルツカヤの転倒を見れば、そういう考えが誤りであることは
明らかだ。上位を目ざす選手にとって、ミスをせずに滑り抜くライヴァルほど、
恐ろしい相手はいないからだ。

もう少し、別の言い方をしよう。オリンピックでメダルを手にするには、単に自分が
ベストを尽くすだけでは不十分で、自分のプレイで相手選手にプレッシャーを与えて
いかなければならない。メダルに届くか届かないかのボーダーにいる選手なら、
なおさら。そして相手にプレッシャーを感じさせるいちばん効果的な方法は、
オリンピックという大舞台で何ごともなかったかのようにミスなくプレイする
ことなのだ。けっして「4回転」や「3D」ではない。残念ながら。

日本チーム、個々の選手はよくやっていると思うし、それに拍手を送りたいのは
やまやまなのだが、どうやったら相手にプレッシャーがかかるか、ということも
含めたメダル獲得へのビジョンが、絶望的に欠けていたような気がする。これは
どちらかというと選手本人より、コーチやスタッフの問題かもしれない。

話は変わるが、荒川選手が金メダルを取って2日ほどしか経っていない先週の
金曜日に、NHKスペシャルで「荒川選手・栄光の軌跡!」といった趣の
ドキュメンタリーが流れていた。非常にすばやい対応で、つまりはあらかじめ
下ごしらえをしていた、ということになるだろう。

とすると、「村主章枝・栄光の軌跡」や「ミキティ・栄光の軌跡」も作って
あるわけだな。ひょっとしたら「成田童無・以下同」や「今井メロ・以下同」も
じつは用意されてたりして。もしあるんだったら、見てみたいなあという気はする。


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2006年02月23日

ついに完結。

先日近所の書店に行ったら、『光文社文庫版 江戸川乱歩全集』
の第29巻(『探偵小説四十年(下)』)が出ていたので、購入。
これが最終配本となるので、めでたく完結・すべて入手できたと
いうことになる。

刊行の始まったのが2003年秋頃だったから、もう2年以上には
なるのかなあ…初回を除いて毎月1冊の配本だったので、
金銭的にはさほど苦にならなかったのだが、うっかり忘れていたり、
出てても近所の本屋になかったり、とけっこう大変だった。
しかしこれで乱歩の長・短編はもちろん、二十面相ものや
評論も手元に置いて楽しめるということになる。素晴らしい!

いま、そんなの読む時間があるのか?と言われれば言葉も
ないけれど、乱歩はやはり私にとって読書の扉を開いて
くれた恩人だ。彼の諸作によって「正義は必ず勝つ、
邪悪は必ず滅びる」ということを教わったおかげで、
なんとか真っ当にここまで生きてこられた、という気もするし。

それにしても、二十面相ってのはすごいよな。自分の私利私益と
いうよりも、むしろ明智小五郎や少年探偵団に嫌がらせするため
だけに、巨額の投資を行ってあれこれ仕掛けてくる。新しい形の
NPOかもしれんね。

「青銅の魔人」やら「電人M」だとか、あれこれ形を変えても、結局最後は
どれも二十面相。あるテナントにフレンチ・レストランが入って、
そこが中華に変わって、最後和食になって、でもシェフ(板長)は全部
同じ人だった、というぐらいのトホホ状態だが、今読み返すとフシギに
共感してしまう。少しずつでも読み返していくことにしよう。
posted by midland at 14:57| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月21日

グッジョブ!な人びと。

NHKの教育番組に「えいごであそぼ」というのがあって、
その中でこんな寸劇をやっていた。

出演者は2名。
舞台左手ではスティーヴィー・ワンダー風の外人がピアノを弾き、
右手には宅急便らしき制服の男性がダンボール箱を持って立っている。
で、外人が「Heavy〜」と歌えばjハコが重くなって男性が
あたふた、「Light〜」と歌えば軽くなってお手玉みたいに
ぽんぽん跳ねたり。それを何度か繰り返し、ラストは荷物
(段ボール箱)が空まで上がっていってしまう、というオチ。

要するに「Heavy」と「Light」の区別を教えるスキットなのだが、
この宅急便男性の動きが絶妙で、何度見ても最高におかしい。
この面白さを文字で伝えるのはむずかしいのだが、確かな技術に
裏打ちされた迫真の演技には感動さえ覚えてしまう。

それで、NHKにこの男性のことを尋ねてみたところ、
演じているのは「松元ヒロ」さんだということがわかった。
コントグループの「笑パーティ」や「ニュースペーパー」で
活躍、現在はソロで、特技のパントマイムを買われての出演と
いうことらしい。なるほど、やっぱりね。

しかしNHKというのはいろいろ言われもするが、その時その時で
いい仕事をしている人をいいタイミングで起用するよなー。
子ども番組が「子どもだまし」であってはいけない、とは常々
思うことだが、民放ではいろいろ制約もあってなかなかそこまで
求めるのはムズカしいだろう。そんな中、NHKの奮闘ぶりはやはり
評価してもいいのではないだろうか。

それで、他にも見つけたNHKのグッジョブ!な人びとをあげておこう。
野村萬斎など、有名どころは抜き、ということで。

●吉田仁美:「うたっておどろんぱ」出演。イギリス公演もこなす、
実力派ダンサー。
●柳家花禄:「にほんごであそぼ」出演。若手落語家のホープ。
今度地元の高松に来るんだけど、聞きにいきたいな〜。
●いとう まゆ:「おかあさんといっしょ」の体操おねえさん。
筑波大学出身の才媛。ルックスも体型も、型破り(笑)。
●谷 啓:「ざわざわ森のがんこちゃん」の主題歌を歌う。
「脱力ファンク」とも言えるこの曲はまさしく谷啓にピッタリ!
だれが考えたのだろう、この組み合わせ…と聴くたびに感服。

他にもいましたら、ご教示下され〜。
posted by midland at 13:52| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月20日

やはり勝負は決まっていた?

上村愛子選手のことを前回書いたが、その補足。

日曜の朝日新聞に外国人記者が記事を寄せていたのだが、
それによると、日本女子モーグルチームのコーチは
今回同種目で金メダルをとったジェニファー・ハイル選手(カナダ)の
プライヴェート・コーチでもあったらしい。ハイル選手が金メダルを
とった瞬間、ガッツポーズをしていたそうだ。

もちろんそのコーチにも生活がかかっているわけで、
彼を責めるつもりはない。しかしこのコーチを通じて、
上村選手の「スピード不足」がハイル選手に伝わって
いたとしたら、やはり上村に勝ち目はなかったのだろうなあ、
と思わずにはいられない。

やっぱりこの辺は、選手以外の人がそのコーチとキッチリカタ(?)
をつけたほうが良かったんじゃないかな。上村選手がどうしても
そのコーチでないとイヤ、という主張だったらまあ、仕方ないけど。
posted by midland at 11:06| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月17日

メダルから遠く離れて

…という感じですな、今年のトリノ・オリンピック。

選手はもちろん最善を尽くしているとは思うのだけれど、
はたしてスタッフ側に、メダルを目標に据えた緊張感が
持続しているのかどうか、ちょっと疑わしいようにも思える。

原田選手「まさかの失格」も基本的に本人の責任だろうけど、
コーチは何をやっとったんじゃ、と言いたくもなるよね。
陰ながら見守ったり、応援したりするだけなら、シロートでも
できるわけだから。

私が日本チームの「勝つためのコンセプト不在」をいちばん感じたのは、
女子モーグル。上村愛子選手のエア(空中技)は神がかり的に
素晴らしかったが、メダルには届かなかった。

しかし後になって三浦豪太氏(雄一郎の長男)の
コラムを読んでびっくり。モーグルにおける
エアの比率は25%らしい。つまりエアがいかに芸術的でも、
100点満点のうち25点ぶんにしかならない、ということだ。

さらに、のこり75%はターンとスピンが占めており、
この2つはスピード(つまりタイム)と密接に連動している。
よって「スピードの出ている選手=ターン・スピンの優れた選手」
という評価が下される可能性が高い。

これが正しい評価法なのかどうかはわからないが、少なくとも
現時点でのモーグルではそのように評価される傾向がある、ということだ。
そういう傾向を考慮したならば、多少「エア」をスケールダウンさせて
でもスピードを保つような作戦をとることはできなかったのだろうか。

エアを極めようとする上村選手の姿は、オリンピック開幕前から
話題になっていたし、実際彼女の空中技はホント、文句の
つけようがなかった。にもかかわらず、私にはどうも上村選手が
勝つための方向性を見誤って、最初から「勝てるあてのない戦い」に
挑んでいたような気がしてならない。だれかが助言してあげられれば
よかったのに。

まあ上村選手にはこれからもがんばってもらうとして、彼女の「声」は
素晴らしいね。女性にしては低めの声質だけど、しっかりと華がある。
モーグルを引退したらジャズのスタンダードでも歌ってみたらどうかな?
CD、買わせてもらいまっせ。

* * * * *

今回の記事は、昨日(2月16日)にアップする予定だったのですが
サーバーのメンテナンスでできませんでした。昨日深夜には、ほぼ
メダル確実と言われていた女子団体パーシュート(追い抜き)決勝と、
高橋大輔選手の出場する男子フィギュア・フリーがあったのですが…
結局どちらもメダルには届かず、本記事のタイトルを修正するには
至りませんでした。残念。
posted by midland at 10:12| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月16日

ビリー・ジョエルのボックスセット『マイ・ライヴ』、

というのを買ってしまった。

CD4枚にDVD1枚がついた日本盤。ボックスセットは基本的に
買わない/買えない当方だが、ビリーは私を洋楽へと導いてくれた
恩人なので、まあしゃあない。ついでに書いておくと、もう
ひとつだけ持っているボックスセットは、ビーチ・ボーイズの
『ペット・サウンズ・セッションズ』。これは素晴らしい企画だった。

さてさてこの『マイ・ライヴ』(原題はMy Lives)、バンド時代の
録音やデモテイクなど、今回初CD化の音源が満載なのだが、
当方が気になるのは「ザンジバル」のアンフェイデッド・ヴァージョン。
『ニューヨーク52番街』(初めて買った洋楽LP!)に収録されている
この曲は、新主流派トランペット奏者、フレディ・ハバードの
ソロが聴きどころなのだが、ここではそれがフェイドアウトすることなく
全部聴けるらしい。そういえば『ストレンジャー』収録の
「素顔のままで」もフィル・ウッズのアルト・サックスソロが素晴らしかった。
これもいつか「アンフェイデッド」で出してもらいたいものだ。

あと、買ってみて初めて気づき、コーフンしたのが「ゲッティング・クローサー」
の別ヴァージョン。アルバム『ザ・ブリッジ』のラスト曲だが、
スティーヴ・ウィンウッドのオルガンをバックに歌っているなんて、
ちょっと嬉しすぎる。「それから「ガラスのニューヨーク」はエルトン・ジョンとの
デュエット。そういや2人は日本でもジョイント公演してたっけ。

ディランの「時代は変わる」、ビーチ・ボーイズ「ドント・ウォリー・
ベイビー」など、カヴァーも収録。ビートルズの「ぼくが泣く」は、
81年に見た来日公演のアンコールでも演奏していた。懐かしい〜。
意外だったのがデューク・エリントンの「イン・ア・センチメンタル・ムード」。
この名曲(しかし難曲)をビリーがどう歌いこなしているのか、興味は尽きない。

ボックスのイラストはビリーの娘・アレクサによるもの。
87年の来日公演で、母親らしき人と一緒にステージの袖
あたりにいた小さな女の子、あれがたぶんアレクサだろう。
ビリーが歌いながら何度も目配せしていたのが客席からも見えたので、
よく覚えている。いま20歳ということだから、あの頃は2歳ぐらい
だったのか。あの公演から、もう20年近く経つんだね。

というわけで、しばらくはブックレットや付属の日本語解説書などを
パラパラやりつつ、ニタニタする日々が続きそうだ。その解説書によると
ビリーは今年(2006年)、久しぶりのツアーに出るらしい。
ぜひ日本にも来て欲しいものだ。あ、でも、クラシックホールで
ピアノ・ソロ(歌ナシ)…というのはご勘弁を。
posted by midland at 00:09| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月15日

寺島靖国氏の新刊、

『JAZZピアノトリオ名盤500』がだいわ文庫のオリジナルで出たので
さっそく購入。

その名の通り、ピアノトリオの名盤を500枚集めたディスク・ガイド
だが、面白いことにとりあげられている作品の全てが絶賛されて
いるわけではない。

ヘルゲ・リエン(デンマークの新進ピアニスト)なんか2枚
とりあげられていて、2枚ともダメ出しされているし、
当方が購入を検討していたウォルター・ラング(ドイツ人)の
『レインボウ・コネクション』なんか、「こんなのをジャズと
思うなよ」と一刀両断…なら紹介すなよ、というツッコミはぐっと
こらえて。

しかしまあ、この辺が寺島氏の人間味あふれるところで、そりゃ
あんた、ピアノトリオばっかり、生涯の愛聴盤が500枚ある人なんか
信用できまへんで。せいぜい多くても50枚ぐらいがいいところだろう。
寺島氏が編者として声をかけ、10人に50枚ずつ選んでもらう、という
企画でも面白かったかもしれない。

紹介されていたCDの中では、Rachel Zという女性ピアニストが
スティーリーー・ダンやキング・クリムゾンなどロックアーティストの
名曲を中心にカヴァーした『Everlasting』が良さそうだった。

あと、本書には紹介されていないが、スイス出身のピアニスト、
ティエリー・ラングの『プライヴェート・ガーデン』はポリスターから
日本盤が出ているので、なくならないうちに買っておくべき1枚だと思う。
posted by midland at 13:41| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月13日

週末は『NANA』一気読み。

映画になったり、今年はアニメになったりと話題のコミックスを
借りることができたので、週末は14巻まで一気読み(現在も連載中)。
いやあ、こういうことをしているとmixiにはアクセスできませんわ。

まあ、2人の「ナナ」という女性をめぐる物語で、片方は普通、もう片方は
過激、というスタンスなんだけど、当方には普通の方でも十分過激に
思えた。冒頭、女子高校生なのに不倫しちゃってるんだもんな〜。

…てなことからもわかるように、ストーリーはけっこうキツめなんだけど、
ところどころちりばめられたギャグのセンスが秀逸で、ドロドロした筋運びを
救っているように思える。ま、シェイクスピア以来受けつがれている
「コミック・レリーフ」というやつでしょうか。

それにしても…物語が語られている時点で過激なほうの「ナナ」は
(おそらく)この世の人ではない、という伏線が、すでに9巻で張られている。
この伏線を残したまま、この先何巻までひっぱっていけるのか気になるところだ。
posted by midland at 14:14| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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